もう人気者には恋をしない
第六話 失恋再び
*


 文化祭が終わった、その日の夜。


 確か、ここにしまったんだよねー……


 クローゼットの奥をあさって、あの絵本を探していた。

 あ、この袋だ。

 紙袋を引っ張り出す。中には10冊のスケッチブックが入っている。これらは全部、私が書いた絵本。


「……あった。森の迷いグマ。うわぁ、すごい懐かしく感じるー」


 よかった。ずっとクローゼットに入れたままだったけど、まだ全然キレイに保たれてる。
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