もう人気者には恋をしない
*


 翌日の放課後。


 文化祭の後片付けもだいぶ終わり、いつもの学校の雰囲気に戻りつつあった。

 お化け屋敷の片づけがまだ残ってるって相葉君が言ってたから、後藤先輩もそこにいるよね。

 私はスケッチブックを抱えて、旧校舎へ向かっていた。

 ……あ、いた。後藤先輩。道具を抱えて歩いてる。

 見てもらえると思うと、ニヤニヤしちゃう。

 顔を引き締めてなおして、ゆっくり近づこうとした。


「ちょっと、須藤さん!」

「……え?」


 後ろから声をかけられて、振り返った。

 声をかけたのは、この前後藤先輩を囲んだファンのコ達だった。

 思わずビクッとした。

 彼女達の険悪な雰囲気を感じた。


「な……何?」

「話があるんだけど……いい?」


 一人、気の強そうなコが、裏の方を親指で差した。

 そんな、こんな時に……

 けど、無視することも出来ず、私は素直にしたがった。

 先輩のいた方をチラッと見たけど、いつの間にかいなくなっていた。

 先輩……
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