もう人気者には恋をしない
「君達~、なぁ~にやってんの~?」


 はっ!

 私もファンのコ達も、一斉に声の方を見た。


 あ……後藤先輩……

 言い方はおちゃらけてたけど、顔は真顔のままだった。

 一瞬、先輩と目が合う。

 先輩……どうしよ。泣きそう……

 込み上げそうな気持ちを、必死でこらえた。


「ちょっと、まずいよぉ……」

「ねぇ、どうしよう……」


 三人の内の二人が動揺しだした。

 すると、唯一動揺していない気の強そうなコが、先輩に向かって口を開いた。
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