もしも私がーcasket in cremtion。
「うん。そう思って僕ら、面接に行ったんだけど……。」
「行ったんだけど、何?」
(何だか嫌な予感がする。)
「俺は、落ちた。」
幟呉が相変わらずの無表情で言うと
「俺も落ちた!」と永璃が明るく言い放った。
「幟呉は何となく分かる気がするけど、永璃は何で落ちたの?」
「ああ……いやぁさ、いちいちネチネチ言われてうるせえからつい、机蹴飛ばしたらびびられてな、ちゃんと「足長いからあたっちゃいました~!」って言ったんだけどなぁ。アハハハ」
「笑い飛ばすなよ……幟呉は何で?」
呆れながら聞くと
「別に、普通に話をしていたら「ごめんなさい」と言われて頭を下げられた。」
(ある意味すごいかもこの人。)
「じゃあ、靭は?」
「う~ん、一週間以内に合否の連絡入れますって言われてる。」
「そう、っていうか家に電話ないよ?靭携帯持ってる?その番号書いた?」私がにこやかに聞くと靭は「あ」と小さく呟いて
「ごめん。持ってるけど、書くの忘れた。」と申し訳無さそうに笑う。
(やっぱりか!!)
心の中で叫びながら突っ込みを入れると、どこかでその面接官も「書いてないじゃん!」と突っ込んだ気がした。
「まあでも、逃亡生活とおさらば出来てちょっとほっとしたよ。」
そう言ってため息をつくと
「それはどうだかな」と、幟呉の声が飛んできて、幟呉はトランプを引きながら続ける。
「俺達が追わなくなっても、任務を引き継いだ者がいるかも知れん。俺達の代わりなどいくらでもいるからな。奴らもいるし。」
「奴ら?」
「ああ、俺達の他にもこんな仕事してる奴がいるんだ。グループ別にやる事は違うけどな。おっ!俺あがり!」
「チッ!」
どうやら幟呉がババを引いたらしく軽く舌打をした。
「僕達は「月組」っていう名前なんだ。他には「雪組」とか「花組」とか「土組」とかが……あるんだよ!」
言いながら靭は幟呉のトランプを引いた。