もしも私がーcasket in cremtion。
「やった!あっがり~!」
「ふん!」
幟呉は暫くジョーカー見つめてから ベシ!っと叩きつけて、よほど悔しかったのか
「もう一度だ!」とすごむ。
「ええ~?もうさっきので四回目だよ~!?」
「いいかげん違うのやろうぜ幟呉?」
呆れ果てている二人に
「あと一回だ!」と言ってトランプを配り始めた所でふと気づく
「あれ?四枚に分けてるって事は、私も入ってるの?」
「ふ、まあな、お前になら絶対に勝てる気がする。」
自信満々に言い切る幟呉にムッとする。
「今鼻で笑ったわね!見てなさいよ!私トランプ強いんだから!」
そんな言い合いをしている最中、窓から見える向いのビルの屋上から怪しい三人組が見ているのを、私はおろか、幟呉達でさえも、気づいていなかった。
*****
『誰?そこに立ってるのは?』
自分の声が反響して聞こえる。
『だれ?』
その人は振り向きそうで振り向かない。
でも私はその人が誰なのか、分かっている。
その人は奥の方へと歩き出した。
『待って!』
ピピピピ ♪
『う~ん……』
朝だ、目覚ましを止めてゆっくりと起き上がった。
「あの夢、誰だったんだろ?夢の中の私は誰だか分かってたみたいだけど……。まあ、いつもの夢よりマシだったな。いつもはもっとグロテスクだもんね。」
そう自嘲して深くため息をついた。
「ふう……」
軽く息をつきながら、仕切りにしているカーテンを開けた。