もしも私がーcasket in cremtion。
「あいつらが来てから、そんなに日にち経ってないのに、ずっと前から居たような気がする……って、半年前から追われてるんだから、あたり前っていったらあたり前よね!でもヒトリになると独り言が多くなるって言うけど、本当だな~。でも前は……あいつらが来る前は、独り言なんて出た事無かったのに。」
時計をふとみると、もう十一時、お昼近くなっていた。
「本当に何処行ったんだろう?……まさか家を出て行った、とか? あ、あははは!その方が清々するもん!どうせ所詮は敵同士だし!そうよ、敵同士なのに、何で一緒に暮らしてんのよ!変よ変!」
何だか、変な気分。
出てけ!って散々言ってたのに、何かモヤモヤする感じ。
本当なら清々して、あ~スッキリ!って感じのはずなのに。
「そうよ、きっと、昨日幟呉に負けたせいだ!そうだよ、本当はスッキリ爽快なんだ!!きっと、あまりにも突然居なくなったもんだから、ちょっと戸惑ってるだけよ!あは、あはは――」
「圭子ちゃん、何やってるの?」
突然声がして、声がした方を見ると玄関に訝しげに靭が立っていた。
「靭! ノ、ノックくらいしてよね!!チャイム押すとか!」
私が恥ずかしくて慌てて言うと、靭はアッケラカンと言い放った。
「えっ、だってココ僕んちでもあるじゃん。ノックすんの?」
「いや!ココは私の家でしょ!」
「そんな事より圭子ちゃん、一緒に来て。」
「そんなことお!?……って一緒って?」
「いいから、早く!」
靭は靴を脱ぎながらそう言うと、早足で私の目の前にきた。
「な、何?」
「座ってないで立って!早く早く!」
「え?」
「っもう~いいや!」
戸惑っている私に苛立ったのか、靭は私の手を引っ張って走り始めた。
「ちょっと、玄関は!?玄関の鍵は?」
「大丈夫だよ。掛けてくれるから!」
「って……誰がぁ~!?」
「あ!そだ!」
「なっ何!?」