もしも私がーcasket in cremtion。
「正確に言うとね、体はキミなんだけど、中身は違ったわけさ。覚えてない?川畑充に01をうった時、僕もあの場所にいたんだよ。」
あの場所……って、あの廃工場だよね?
いた? この子が……?
「うっ!」
突然頭に激痛が走った。
そして、ぼんやりと風景が浮かんできた。
エリスが、誰かに……そう、この目の前にいる少年に話しかけている画だ。
エリスの声が頭に響く。
『そうねぇ、この子にも打ってみましょうか――翔?』
(そうだ、こいつはいたんだ! あの場所に!)
ばっと顔を上げて、少年、葵を見ると、葵は真っ直ぐに私を見ながら哂った。
思い出した事を悟ったように、嘲笑に似た笑みを浮かべる。
「そしてキミに01を「打って良い」と許可を出したのも僕。そのさいキミに、ちょっとした術をかけさせてもらったんだ。一種の催眠術に似ているんだけど、催眠術よりもっと高度な技で、僕にだけ使えるんだ。【心呪縛(しんじゅばく)】っていうんだけどね。まあ、つまり、キミの身体を借りてそこら辺の邪魔な奴らを消させてもらったわけさ。」
愕然と俯く私を尻目に、葵は続ける。
「でも、「人、殺して来たんだしィ」とか思って海を殺したみたいだけど、残念だったね、キミ自体が意思を持って殺したのはこれが初めてだ。オメデト。」
つまらなそうに葵は軽く拍手をした。
「ふざけんな!」
俯いたまま、私は怒鳴り声を上げた。何を考えたら良いか、分からないくらい混乱している頭でも、分かっている事が二つあった。
悔しい。泣きたくなるほどの怒りと、悔しさが、混乱している脳味噌の中でもスッキリと炎を上げていた。
そんな私を見て、葵は眉を顰めた。
呆れたように、見下すように、冷眼した。
「何怒ってんの? 確かに、キミの身体を無断で使ったのは悪かったかも知れないけどさぁ、科学は、人間は、犠牲無しでは進化しえない生き物なんだよ?人の首切って、冷凍保存して、後からくっつけようとかっていうクレイジーな研究だってあるしね。猿はそれで三日くらいは生きたんだってさ。んで、クローンだろ? 生物兵器、核、上げれば切りないよ!頭良い奴は大概思ってるだろうよ「ああ!この頭をフルに使いたい!研究がしたい!」ってな。」
手を広げ、手を組んで、満足気に組んだ手を横にして、肩をすくめて笑った。
私と目が合うと、身振り手振りしながら、何だか楽しそうにまた話し始めた。
「ウチはウチで、色々と条件そろう人集めてんだよねぇ。川畑だって借金一千万貸す代わりに返せなかったら、身体を差し出すっていう条件呑んでたんだぜ。なのに逃げ出して、いたぞ!と思ったら、キミが来てさ、見られちゃったんだから処分するしかないでしょ、あんな現場見ちゃったキミの不運だったんだよ」
「それに」と言うと、私を指差して