もしも私がーcasket in cremtion。
「キミってばてんでダメダメじゃん!?」
何を言い出すのかと呆気に取られている私を見て、葵は肩近くに手を上げ、首を横に振った。
「力のコントロールも全然出来てないし、本当に【0P(ゼロピー)】なのかなぁ~。つうか、はっきり言ってキミって僕が操作しないと、てんで使い物にならない失敗作だったみたいだね。残念、せっかく形だけは成功したのにさぁ。僕の知ってる0Pに比べたら、最下位も良いとこだよ。」
(何コイツ!? ムカつく!!)
……けど、0Pって何だろう?
その気持ちが顔に表れていたのか葵は
「今opのこと疑問に思ってるでしょ?」
と、私に向かって指を指した。私は素直に頷く。
「そんな事も知らないんだ。」
呆れたように首を横に振り、話を続けた。
「OP、変身(トランス)能力者。菊之から聞いていると思うけど、トランス能力には大きく分けて三種類ある。【ⅩÅ】【Ⅹ・B】【S】どの種類でも変身が出来ればトランス能力者には変わりない。ほら、トランス能力者XÅとかって言うと長いでしょ?だから通称・OP。トランス出来る人の事をOPと呼ぶってわけ。まあ由来は僕も知らないけど、キミはX・Bの0P(ぜろぴー)31(サンイチ)!」
そう言って私を指差した。そしてそのまま微笑んで
「ちなみに31ってのは、31番めに〝形だけでも〟成功した人って意味。」
憤りはあったけど、自分を知るチャンスだった。
私は葵に詰問した。
「待って、私って全身変化のXÅじゃないの?」
「違うよ。元は部分変化のX・Bだったんだ。でも僕が全身変化させてたんだよ。出来なくは無いからね。」
答えると、葵はすぐに不機嫌な顔になった。
「まあ、でも、殺せつったのに殺さないし、心呪縛に逆らっていたのには驚いたよ。」
呟くように言って、急に思い出したように「フ」と笑った。