10年の片想い
キラの言葉に、全員が俯いた。
そうだ。
凜は騙してゴメンと言っていたけど。
本当に騙していたのは、自分たちだ。
本当の素顔も明かさずに。
過去さえも明かさずに。
嘘もついて。
罪を被って。
―――本当に、このままで良い?
「良くねーに決まっているじゃねーかよ」
トウヤが呟く。
それにカオリ、ウミ、ソラも頷いた。
「明日、凜ちゃんと美愛ちゃんは学校だ。
そこで、ボクらで守ろう。
大事なお姫ちゃんたちを。
それに、決めたもんね。
凜ちゃんと美愛ちゃんは、女の子なんだよ。
男であるボクらが守らないと、駄目だって。
“あの事件”の時、ボクら言ったもんね」
忘れていないよ。
ボクらが大事だった凜ちゃんと美愛ちゃんのこと。
例え君たちがボクらを忘れていても。
ボクらは君たちを忘れたりなんてしないから。
『オトナになっても、一緒にいようね!』
そう言っていた君の笑顔、
ボクらは今でも、覚えているよ……。