10年の片想い






声のした後ろを振り向くと。




「「きゃああああっ!」」




女子特有の黄色い声が響いた。




校門の方向から、スタスタと5人並んだ影が現れる。

真ん中は総長であるトウヤ、右が副総長のカオリ、カオリの横がキラ。

トウヤの左に、ウミ・ソラと並んでいる。

……言うまでもない。

乱馬、だ。






女子が叫んだのもわかる。

乱馬メンバーは、全員無駄にイケメンだ。

よくもまああんなイケメンが揃ったものだと感心する。




乱馬はあたしたちの後ろに立つ。

そして、あたしをトウヤが引き、美愛をキラが引いた。

あたしたちは後ろから抱きしめられる形で立った。





「なっ…お前らは?」

「お久しぶりですね、理事長。
俺は乱馬総長・九条院透哉です」

「く、九条院だと!?」

「はい。
そして久留米凛と田島美愛は、乱馬の認めた姫です。
俺らの大切な姫に手ぇ出さないでもらえますか」




乱馬の認めた、姫…。

あたしの目に、涙が潤んできた。







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