10年の片想い
「しかも相馬って……」
「あ、知っているんだ?」
「ダイヤモンドパークの、社長……」
「社長はボクのお母様だねー」
ダイヤモンドパークの社長!?
ダイヤモンドパークって、あたしと美愛がキラに初めて会った時に行ったショッピングモールの名前じゃないの!
「理事長の奥様、ダイヤモンドパークの社員さんだよね?
お母様に言って、クビにしちゃったからーゴメンネ」
「……ウグッ」
ゴメンネってキラ、謝っている感じがしない…。
てかキラもトウヤに負けず劣らずの御曹司ってわけね。
お父さんはヤクザの組長。
お母さんはダイヤモンドパークの社長。
お祖父さんは三金高校の校長。
全て合わせても九条院財閥には負けるだろうけど、御曹司なのは変わりない。
きっと理事長が言っていたウルフ、梅田組の奴らは、キラのお父さんが組長を務める相馬組にやられたのだろう。
てか、理事長、族を敵視しているのかと思っていたのに。
自分が族とか組とかと知り合いじゃんっ。
「まぁ良い。
どうぜ族は皆一緒だ。
薬物も使うし、銃も使う。
わたしはヤクザや族だけでなく、警察とも知り合いなんだ。
君らの悪い噂をでっち上げ、逮捕することは楽勝なんだよ」
再び理事長は笑う。
顔、広いねー。
「次はウミとソラ、やってやれ」
「「はぁい!」」
今度は何だ、と理事長の顔が歪む。
「理事長さんさー」
「何でオレらのせいにしたの?」
「「お金使っているの、理事長でしょ?」」
お金使っているのは、理事長…?
どういうこと?
乱馬って理事長は言っていたよ?