10年の片想い







『おはようございます、皆さん。
田島美愛です。
先ほど会長である凛も言っておりましたが、乱馬についての情報提供をよろしくお願いします。
何でもいいんです、少しで良いんです。
教えてください』




美愛がぺこん、と頭を下げる。

美愛の綺麗な太もものラインが良く見える。

…男子の皆さん、鼻血出している人いるし。

セクハラするなよー。









演説したのは良いものの。

誰も乱馬について知らなかった。

乱馬は本当に、人前に姿を現さないようだ。

本当、何で表さないんだか。




「凜、どうするの?」

「どうしようか……」




生徒会室で2人、溜息をついた。

理事長からただでさえ嫌われているあたしたちは、下手したら退学だ。

乱馬のお金の使い道を見つけないと、退学の危機は免れないとか。

折角お金払って入学しているのに、本当理事長無茶苦茶だよね。




「失礼しまーす」



ガラッと、滅多に人の出入りしない生徒会の扉が、元気よく開いた。






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