10年の片想い







「凜ちゃんと美愛ちゃんは覚えているかな。
“幸せの家”で凜ちゃんと美愛ちゃんと仲良くしていた、5人の男の子を」



5人の男の子。

思いつくのは、あの5人だけだ。




「ボク、確かあだ名チャラだっなー」

「僕は年上に見られていたようで、お兄さんでしたね」

「オレらが1番酷いよー」

「キョウとダイなんて、兄弟そのままじゃーん」




チャラ・お兄さん・キョウ・ダイ。

それに、“あの子”。

あたしと美愛が、仲良くしていた男の子たちのあだ名だ。

“あの子”がトウヤだとは気が付いていたが…まさか、4人もあのメンバーだっとは。




しかし、あたしはまだ信じられなかった。




チャラはいつもチャラチャラしていたからつけられたあだ名であり、今のキラとは似ても似つかない。

キラは人懐っこいだけであり、チャラチャラはしていないような…。




お兄さんも、誰よりも大人びていて、常に支えるような保護者的立ち位置だったからそう名付けた。

カオリが大人びているのは変わりないが、保護者的立ち位置かと言われると、首を傾げたくなった。




キョウとダイも、確かに兄弟から取ったため安易なあだ名ではあるが、当時は喧嘩が絶えなかったのを思いだす。

今は喧嘩なんてしていなくて…むしろお互いを誰よりも信用しているほど仲良くなっていた。



“あの子”もそうだ。

トウヤと違い、よく話すような子だった。






顔は幼かったから変わったのもわかるが、性格も変わりすぎではないだろうか。







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