10年の片想い






チャラも同じく数時間後出てきた。

チャラは両腕から血を流していた。

同じく凛とロイは、ガーゼでチャラの両腕を押さえた。




次の呼ばれたのは、キョウとダイ。

双子の両親は若くして様々な犯罪に手を染め、逮捕されて出所して再び逮捕、というのを繰り返していた。

15度目に逮捕された時、両親は死刑を言い渡され、執行される前に自殺したのだ。

そのため、残されたキョウとダイは施設へやってきた。




数時間後出てきたキョウとダイは、それぞれの足から血を流し、凜たちの元へ来る前に倒れてしまった。

再び凛とロイが駆け寄り、ガーゼを当てた。



施設長が呼んだのは、凛・ロイの2人だった。

残された美愛が「行かないで」と泣き叫んでいたが、2人は振り返ることもせず、奥の部屋へ向かった。




施設長はまず、凜に鉄パイプを振り下げようとした。

だが、ロイが前から凜を抱きしめ、凛の代わりに殴られた。




『やめてッ!
ロイが死んじゃうッ!!』



凜はロイを押そうと試みたが、ロイは抱きしめる力を弱めることはせず、ますます強くした。



『凜ちゃん…僕なら、大丈夫だから。
凜ちゃんは……大人しく…していて?』



チュッと額にキスされ、凜は何も言わなくなった。

ただ、ロイが死なないよう、無事を祈っていた。







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