10年の片想い
「乱馬について教えてくれないんですか?」
「えー、どうしようかなー?」
うーんと考えるキラくん。
「お、教えるって言ったの、キラくんですよね?」
「……それもそうだよねぇ。
でも、教えたくないんだよねぇ。
だから、さっきの話はなかったことにしてくれるかなぁ?」
「なかったことになんて出来ません!」
「………しょうがないなぁ。
じゃ、ちょっと待ってて」
スッとポケットからスマホを出したキラくんは、軽く操作し、耳に当てた。
「ちょっ、凛!」
「どうしたの美愛」
「あのスマホ、1週間前ぐらいに出たばかりの新作だよ!
何でキラくん持っているの!?」
嘘……。
新作って、勿論高いはず。
何でそんな軽々と買えるの?
「あ、もしもしー?
突然ごめんねー。
今?
今はねー学校にいるんだよ。
ほらほら、三金(みかね)高校だよ」
電話の相手とは親しいようで、アハハと笑いながら電話している。
早く本題にうつらないかな……。