10年の片想い
「そういえばさー。
昨日話した子、いるじゃん?
あの子たちが、乱馬について知りたいとか言っているんだよねー。
逃げきれないから、教えても良いー?」
…それから数十分。
相手が許さないみたいで、揉めていたみたいだけど。
キラくんは通話を切り、アハハと笑った。
「良いよって許可もらったよ。
じゃ、行こうか」
「行こうかって…」
「どこにですか?」
「まー着いて来ればわかるよ」
「れっつごー!」と言いながら、キラくんが歩きだす。
あたしと美愛は、恐る恐るついていく。
「信用して良いのかな……」
「わかんない」
美愛とひそひそ話しながら、あたしたちは校門を出た。
すると、校門の前に、流れるようにして黒い高級車が停まった。
「乗って?」
キラくんは微笑むと、中へ躊躇いもなく乗りこんだ。
あたしたちが「え?」と佇んでいると。
「ほぉら!早く!!」
無理矢理背中を押され、あたしたちは高級車に乗りこんだ。