10年の片想い
「キラ、どういうことですか。
説明してもらえますか」
「さ、さっき電話したじゃんかよ~」
さっき電話?
あ、もしかして学校前で車乗る時?
あの時電話していた相手って、カオリくんだったんだ。
ん?
つまりカオリくんも、乱馬の人?
こんな燕尾服みたいな場違いな服着ているのに?
暴走族って感じ、全くしない~。
「もう少し詳しく説明してください」
「じゃ、じゃああたしがします。
あたしがキラくんにお願いしたんですし」
「あなたは黙っていてください」
出来る限りの笑顔で言ったつもりなのに。
何でカオリくん、警戒心剥きだしなの?
この人からお金について詳しく聞きだすのは大変だな~。
「キラ。
説明してもらえますか」
「えっとー…。
このゴスロリちゃんが、久留米凛ちゃん。
三金高校の生徒会長さん。
セクシーちゃんが、田島美愛ちゃん。
同じく三金高校の副会長さん」
「……三金高校、ですか………」
ピクッと、カオリくんの肩が一瞬だけ上下する。
やっぱりこの人、乱馬だ。