10年の片想い
本当キラくんってよくわからない!
「教えると思わせ、結局は教えないのでしょう。
そんな表向きの優しさでは傷つけるだけ。
そんなことをする暇があるのなら、早く追いだしてしまいなさい」
「「はーいっ」」
ソラくんウミくんの元気なお返事が響き、あたしたちはグイグイ入り口に向かって引っ張られる。
せ、折角乱馬のメンバーに会えたって言うのに!
このまま引き下がって、たまるかぁ!
「美愛ッ!」
「え?
凜、もしかしてアレやるの!?」
「やるに決まっているでしょう!」
「り、凛~!」
あたしはほぼ泣き顔の美愛と一緒に頷いた。
そして。
「「……離して?」」
涙を浮かべた瞳を、上向きに!
下からウルウル瞳で見つめられたら、どうなるか。
あたしと美愛は、知っている。
「「……ごめんなさい。離します」」
パッと双子の腕が、あたしと美愛から離れた。
キラくんが驚いた顔をしていた。