10年の片想い
「ちなみにボクはさっきも言ったけど、乱馬の幹部。
ウミとソラも幹部ね。
で、さっきのカオリが副総長。
あとでカオリにも自己紹介してもらうね」
こくん、と珈琲を飲むキラ。
ウミとソラはオレンジジュース。
淹れてくれたのは、何故かお屋敷内にいるメイドさん。
ふりふりの、本物のメイド服を着ていた。
何でメイドさんがいるのだろうか?
あたしの前にはイチゴミルク。
美愛の前にはココアが置いてある。
飲み物、本当に何でもあるんだな。
「そういえば、カオリの対応だけど、気にしないで良いから」
「え?」
「アイツ警戒心強いから、誰に対しても最初はああなの。
口調もきついけど、別に悪い人じゃねーから」
「警戒心強いのは当たり前ですよ。
あたしたちも、いきなり来てしまいましたし。
あたしはもう慣れました」
「美愛は?」と見ると、あたしを見て驚いた顔をしていた。
うん、まだ慣れていないね。
「お待たせしました」
カチャッと扉が開き、カオリくんが入ってくる。
そして胸元から、懐中時計を取り出す。
…カオリくん、不思議な人……。