10年の片想い







溜息をついて、あたしは良いことを思いついた。




「美愛!
可愛い格好して、皆の前で立ってみてよ!
そうしたら、乱馬も出てくるよ!!」




よくあるよね。

暴走族が出てくる小説で。

超美人な子が、総長とかに気に入られる話。

それを使えば良いんだよ!




「はぁ!?
凜、何言っているのよ!
てか何で私が?」

「美愛可愛いからよ!」




眼鏡で三つ編みのあたしと違って、美愛は可愛い。

染めていない純粋な茶色い髪に、二重の瞳。

ふわふわしていて、天使みたいな美女だ。




「美愛!
授業が終わったら、一緒にショッピングしよう!
それで可愛い格好で、校門前に立つの。

そうしたら、乱馬は絶対現れるって。
それか、乱馬に関する情報が、少なからず入ってくるよ!」

「……そんなに上手く行くかなぁ?」




美愛は首を傾げていたけど、あたしはもうやる気満々!




「さ!
今日も授業頑張ろう、美愛!」

「り、凛待ってよー!!」






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