10年の片想い
気が付いているんだ…。
さすが、何でも出来るね。
まぁあの家の出身なら、出来ないことはないか。
厳しいことで有名だもんね。
だけどその分、名前も高い。
あの家の出身者は、重宝されるからね。
ね。
「……何しているんですか、さっきから」
ほら。
カオリの瞳、やっぱり鋭い。
あー、怖い怖い。
「別にー」
ボクはスマホをいじり、送ってあげた。
さっきの馬鹿の仕返しだよ。
―――――――
ちゃんと守って
あげないとね。
あの時は、
守って
あげられなかったもんね?
―――――――
カチカチ、とガラケーをいじるカオリ。
その顔は、表情を持たない。
まぁ、持ってしまったら、
あの仕事は―――出来ないもんね?