10年の片想い
「ウルフって言うのは、まー暴走族だよね。
ただボクらと違って、色々なモノに手ぇ出しちゃうんだよね」
色々なモノ…?
キラはその先言わなかったけど、きっと拳銃とかクスリとか、そういうのだろうなって直感した。
「キラ、彼女たちをよろしくお願いしますよ」
「彼女たちって…。
カオリ、良い加減名前で呼べば?
お姫ちゃんなのに、他人行儀すぎない?」
「……放っておいてください」
本当この2人の会話って、コントみたい。
「ま、凜ちゃん美愛ちゃん。
ボクの後ろから前に出ないでね」
「「わかった」」
あたしは美愛を見た。
「美愛。
あたしの後ろに隠れてて」
「わかった」
「ん?
凜ちゃん何言っているんだ?」
「美愛はあたし以上に喧嘩できないの。
だから、あたしがいつも美愛のこと守っているの」
「そうなんだー」
「凜はいつも私を守ってくれるのよ。
凜は私の王子様なんだから!」
美愛、あたし男じゃないんだけど…。
まぁ小さい頃は、男っぽかったよね。