10年の片想い
放課後。
あたしたちは駅前のダイヤモンドパークと言う名のショッピングモールに来ていた。
ダイヤモンドパークってネーミングセンスは悪いけど可愛い服は多いから、ここで可愛い服を選んで美愛に着せれば、きっと乱馬が現れるハズ!
「そんなに上手く行くと思わないけど…」
「やってみる価値はあるって、行こう!」
渋る美愛を連れ、あたしは女の子らしい洋服屋さんを歩き回った。
「凛。
凜も、私と一緒に立ってね」
「そりゃあ立つぐらいはするよ」
「立つだけじゃなくて。
凜も可愛い格好してよ」
「はぁ!?」
「ちょっ、凛!声が大きいって」
お客さんから白い眼を向けられたあたしたちは、小声で話しだす。
「何であたしも着るのよ!」
「私だけじゃ恥ずかしいもの」
「一緒に立つって言っているじゃない」
「凜が立たないのなら、あたしも立たない」
「み、美愛~!」
しょうがない。
「良いよ、あたしも立つ。
ただし、条件があるよ」
「何?」
「眼鏡と三つ編みはこのままね」
「はいはい。
凜は昔からその髪型だもんね」
美愛とあたしは幼馴染。
だから、あたしのこともよく知っているんだ。