10年の片想い
「てか、笑っている場合じゃないよ美愛。
あたしたち、退学になっちゃうかもよ!?」
「そ、そういえば、そう言う約束だったね……」
あー!
理事長の馬鹿ァ!
自分で調べられないからってあたしたちに押し付けて退学って。
極悪人にもほどがあるんじゃない!?
「早々簡単には退学にならないと思うけどねぇ」
キラが欠伸をしながら呑気に尋ねてくる。
「高校は小中学校と違って、義務じゃないんだよ?
しかも理事長って、かなり偉いし……」
「ふーん……」
キラは再び欠伸をする。
「てかキラたち、他人事じゃないからね?
キラたちだって、三金高校の生徒なんだよ!?」
「そうだけどね~。
ま、ボクたちは通わなくても良いの」
キラはパチンッとウインクをする。
…イケメンにウインクは、反則だと思う。
美愛なんて、顔が真っ赤だし。
そう言うあたしも、きっと顔真っ赤だ。
体温が上がって行くのが、自分でもわかるもん!