10年の片想い






「な、何か秘訣でもあるの……?」



キラは乱馬メンバーを見渡す。

まずソラとウミが頷き、カオリが渋々だけど頷き、最後に間をおいてトウヤが頷いた。

…この5人、絶対他にも秘密を持っているはずだけど、頑なに話さない。

それはきっと、総長のトウヤか、副総長であるカオリが“秘密にしておけ”と言っているのだろう。

無口すぎるトウヤに、厳し~カオリが言うのだから。

あとの幹部は、何も言えないのだろう。





「まずボクら、学校に出すお金の額が、他の人と違うからね~」



寄付金か、クソッ。

お金じゃ、あたしたちは何も言えないな。

まぁ、滞納しているわけではないけど。





ん?

ボクら?

九条院財閥のトウヤは良いとして。

他の人も、お金持ちなのか?




まぁ、そんな感じするけどね。

お金持ちの御曹司って感じがプンプンするもん。

あたしみたいな平凡じゃわからない暮らし、しているんでしょーね。




でも、不思議と羨ましいとは思わない。

お金はあった方が良いだろうけど。

お母さんもお父さんも優しいし、あたしは今の生活で満足しているからね。








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