10年の片想い







「あと、ボクら成績良いから」

「成績!?」




1番に反応したのは、美愛だ。

美愛は、成績上位者が誰だか、知りたがっている。




「中に、成績1位の人っているの?」



美愛の言葉に、キラが見渡す。




「カオリ。
確か成績良かったよな」

「僕ですか?」

「そうだよ。
前回テスト順位、何位だっけ?」

「1位、ですけど?」




当たり前、というような口ぶりだ。

美愛が、目を見開き、カオリを見つめた。

あたしは、そんなに驚かなかった。

見た目からして頭良さそうだし。




「カオリが1位なの!?」

「あんなの余裕ですよ。
そう言う美愛さんは何位なんです?」

「あたしは5位。
ずっと1位の人を探していたんだ!」

「5位、ですか。
2位は、トウヤですよね?」




こくん、とトウヤが頷く。

さすが九条院財閥の御曹司。

頭良いんだな……。








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