10年の片想い






「3位4位が、ソラとウミですよね」



カオリが車内の隅っこで磁石のようにくっついている2人に聞く。

すると2人は首を振った。




「「4位じゃない。
オレらは、同じ3位だよ」」

「…そうでした、忘れていました。
2人は成績も同じでしたね」




成績まで同じだなんて…。

どこまで同じなんだ、この双子は。




「あれ?」

「どうしたの美愛」

「1位はカオリ、2位がトウヤ、3位が2人でソラとウミ、5位が私。
キラは何位なの?」




乱馬、頭良いなぁ。

上位を占めちゃっているじゃない。




「美愛さん。
キラに成績のことを聞かない方が良いですよ」

「おいっ。
何でお前が答えているんだよ、カオリ。
ボクに勉強は向かないだけの話だ」

「キラ、何位なの?」

「そう言う凜ちゃんは何位なんだよ」



あたし?



「200人中199位だけど」



車内が、静かになった。

まぁ、元々静かだったんだけど。

キラは、ぽかんっと口を開けている。

…何とも間抜けな光景だ。








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