10年の片想い
「あ、あたしも成績悪いの。
そんな顔しないでよ、キラ」
「……凜ちゃん」
「馬鹿にしたきゃしなさいよ」
「馬鹿になんてするもんか。
凜ちゃん、ボクより頭良いんだから」
……は?
「ボク、200人中200位だよ」
キラ、まさかの最下位!?
それなのにあんなヘラヘラしていて。
凄すぎて……言葉が出ませんっ。
「え?
でもキラをあたし、補習の日見たことないよ」
「そりゃそうだもん。
ボク補習なんて行かないし」
「はぁ!?
寄付金が多い人は、補習に行かなくて良いの!?」
「なわけないでしょう」
半ば呆れ気味に、カオリが話す。
「補習の日の度に、キラは僕の所に来るんですよ。
そこで特別に再テストを行い、合格させるんです。
校長も孫であるキラに優しいですからね。
再テストで合格すれば、補習に出なくても良いシステムを取っているんですよ」
へぇ、そうなんだー。
…カオリ。
アナタ今、何だかとんでもないこと言わなかった?