10年の片想い
「凛!
明日、それを着なよ!」
「え!?
こんな可愛いの着れないよ!」
「凜に拒否権はないから!」
「み、美愛~!」
結局、あたしは明日、今日のゴスロリを着ることになった。
美愛は、少し大人な、セクシーな服を着ることになった。
ゴスロリは嫌だけど、セクシーな服も似合わないから。
消去法で、ゴスロリにすることにした。
「帰ろっか、凛」
「そうだね」
そのままあたしたちは自分たちの家へ帰る。
あたしたちの家は、静かな住宅街にある。
お隣同士なんだ。
「じゃあね凛!」
「バイバイ美愛!
明日遅刻しないでね!」
「遅刻するのは、いつも凜でしょ?」
「そ、それは言わない約束!」
それぞれの家の門の前で別れたあたしは、中へ入る。
美味しそうなシチューの匂いが漂って来た。
「ただいま!
お母さん、今日の夜ごはんはシチュー?」
「お帰り凛。そうよ。
もうすぐで出来上がるから、待っててね」
「はぁい!」
あたしは鞄と制服を置きに、2階の自分の部屋へ向かった。