10年の片想い
全員とメアドとケイタイ番号を交換し終え、あたしは聞いてみることにした。
「皆に、聞きたいことがあるんだけど……」
「何?凜ちゃん」
「皆のこと…教えてほしいんだ」
車内に、静かな空気が流れた。
沈黙を破ったのは、やはりキラだった。
「無理だね、それは」
「どうしてっ…」
「凜ちゃんたちが、自分たちのことを教えてくれないから」
「……」
「凜ちゃんたちが教えることが出来ないと、ボクらも無理だよ」
確かに、ごもっともな意見だ。
「凜ちゃん。
一体凜ちゃんたちは、何者なの?」
乱馬メンバーの全員の瞳が、あたしと美愛に向けられる。
「……あたしたちは………」
言わないと、駄目かなぁ。
「……凜さんと美愛さんは」
眼鏡のブリッジ部分を押さえたカオリが、あたしたちを見る。