死んだ薔薇。
貴方はいきなり私に別れを告げた

残してくれた言葉なんて別れにふさわしいものじゃなかったわ

「しつこい。お前がどんどん怖くなるんだよ。もう別れよう。じゃあな」なんて。

貴方は私の言葉も聞こうとせずに

私の部屋のドアを閉め、去っていった

今でもドアノブに手を伸ばそうとすると、

その時の貴方の顔が、声が、温度が鮮明に伝わってくる

貴方が「冗談だよ」って笑ってドアを開いてくれるのを待っていた

けれど、ノックの音さえ聞こえる事なんて無かった
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