俺とお子ちゃま彼女
「そっか…。」


沈黙を破ったのは雪哉だった。


「雪哉…ごめん…!本当にごめん…!」


ものすごく謝りたい衝動にかられた。


「兄貴さ…なんで謝まんの?」


「え…?」


なんで…って…。


雪哉やっぱり怒ってるよな…。

「兄貴、俺が怒ってるとでも思った…?」


下を向いてた俺は顔をあげた。


「怒って…ないのか!?」


普通怒るだろ…?


「だって怒る理由ないだろ?兄貴が好きになった相手と俺が好きになった相手が、たまたま一緒だっただけだよ。たまたま…な?」


雪哉はそう言って笑った。


「まぁ、俺が協力してって言った時から兄貴が好きだったらキレてたけどな?」


え…?


「なんで自分の気持ち押し殺すんだよ!ってな。俺は兄貴には幸せになってほしいんだ。いや、兄貴みないな人は幸せになるべき人なんだよ!」


そんなこと言うなよ…。


泣いちゃうだろ…?


「ありがとな…雪哉!」


本当に…ありがとう…。


「あの…さ?小谷先輩って…いつ出発するの?」


弥生が恐る恐る聞いてきた。


そういえば…!


「えっと…3月20日だから明日!」


「「…え!?」」


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