空よりも大きく
プロローグ
「悠也、好き…」
「知ってる。俺も好き」
ぎゅっと抱き締められる。
そして私は、彼にもっと触れていたくて、もっと近づきたくて、ぎゅっと抱き締め返す。
狂っていた。
お互いがお互いを愛しすぎてしまっていた。
「ねぇ、そろそろ時間だよ…」
「そうだな。もっと一緒にいたかった」
悲しみを隠しきれないといった彼の表情は、私の心を締め付ける。
「何言ってるの?これからはずっと一緒じゃない。決して…、決して離れない」
そう。これで全て私のもの。
例え神であろうとも、私たちを止めることはできない。そんなこと許さない。