ミャウミャウにキスを。
二人だけの夜。
正史が会社に行ってる間、
私は、ソファでウトウトとした。

昨夜は、少しも眠れなくて。
正史も携帯を手にぼんやりとしていた。

朝になると、

「いいか、白猫。オシッコはここ。新聞紙の上。わかったな。」

正史は、私の鼻を新聞紙に擦り付けると、
出掛けて行った。


やんなっちゃう。


トイレも普通に出来ないなんて。


ソファでウトウトしながら、
これから、どうしようと考えた。
このまま、
正史の部屋に居候。
猫の姿のままで。

お父さん。
お母さん。
私が帰らなくて、心配してる。
もう、あの家には帰れない…。

悲しくなった。

正史。
正史が、もし、私のこと、分かってくれたら。

正史が居ない部屋で、
ミャウミャウ鳴いた、
うんと鳴いた。

そして、ソファの上で眠ってしまった。
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