ミャウミャウにキスを。
夜になった。

ピンポーン。
玄関のベルが鳴った。

私がミャウ〜と鳴くと、
正史が気が付いた。
パジャマのまま、ドアの所に行くと、
「大野です。」
と声がした。

えっ‼
大野チーフ。
何なの、何なのよ〜。

「あ、チーフ。こんな格好なんです。」
「東野君、入るわよ。」

えーっ‼
チーフ、何で部屋に入るのよ‼

「困ってるでしょ。薬とスープストックのスープ、買ってきた。」
「すいません…。」
「何か食べた?」
「いえ、まだ。」
「じゃあ、このスープ、温めてあげる。」
「いいですよ、俺、ひとりで出来ますから。」
「東野君は、寝てなさい。」

フーッ‼
フーッ‼
帰って、帰ってよ、チーフ‼
私は、毛を逆立てて、鳴いた。

「あら?何よ、この猫。」

フーッ‼

「シッ‼ あんたは、あっち‼」

チーフは、私を追い立てて、ドアの外に出した。

バタン。

ドアが閉まった。

えーっ‼ どうしよう‼
私は、ギャアギャア鳴いた。
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