ミャウミャウにキスを。
オシャレな雑貨屋さん、
パン屋さん。

お店を素通りして、
正史の三階建てのマンションに着いた。
一階の正史の部屋は暗いまま。

部屋の扉の前に紙袋を置いた。
持っていた黄色いポストイットに、

『ハッピーバースデー、正史のバカ』

って、書いて貼り付けた。

頭にきて、涙がポロッと出た。

正史と付き合い始めて一年。
付き合ってるけど、
私を淋しくさせる。
待ち合わせに来ないこと。
前にもあった。
仕事が忙しいって、言うけど。

それに、
大事なこと、
まだ、言ってくれない。


好きだよ。
も、
愛してる。
も。


どんなに忙しくても、
ひと言。
言って欲しいの。

満月が、綺麗。
涙で、チカチカしちゃう。
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