ミャウミャウにキスを。
お店のドアをバタンと閉められた。

ガラスのドアのそこにも、
白い猫の私が映っている。


呆然とした。


トラックにぶつかったとき、
何があったのか。
あの時、
猫と入れ替わっちゃったの?

ヨロヨロと、
四つ足で、
正史のマンションの前に戻った。

私がトラックにぶつかった場所には、
何もなかった。

まだ、部屋の窓は暗いまま。

マンションの玄関で、
私は途方に暮れた。


寒いなぁ。
お腹も空いたし。


正史、早く帰って来ないかな?
でも、
私は、白猫だし。
どうしたら、良いんだろう。

私は、正史のマンションの玄関で、
うずくまってしまった。



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