sunflower



「や、嫌だよっ!?」

「いいじゃーん。
 どうせ歌うじゃん。
 はい、せーの!」

由香は春に歌うように急かす。

普通にこの状況で歌いたい人なんかいないだろ、ってくらいのノリの由香。

春は当然、嫌がっている。


「春、今日暇?」

「んなっ!?
 俺、これから部活だからぁ~♪
 じゃあまた明日ねぇ☆」


春はそう言って焦った様子で鞄を手に取り、急ぎ足で教室を出ていった。


「アイツぅ!!
 逃げたなっ!?くそっ。」

「どうせリハで聴けるじゃん。」

「でもさぁ、この私がベースやるのに、
 ボーカルとして
 相応しいのかなって。」


何様だよ、ってつっこみたくなる言い方をする由香だけど、

私もどれだけ上手いか気になる。




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