sunflower



「由香、ちょっといい?」

「え?・・うん。」


由香に代わって、春が私の隣に座った。

なんか気難しそうな顔をしている。


「どうしたの?」

「できれば、今日のこと・・
 忘れて?」

「え?」

「まさか俺だって気絶すると
 思わなかったし、
 ジェットコースターにも観覧車にも
 乗れない男って・・・
 格好悪いだろ?」

そんなこと考えてたんだ。

「春は春でいいじゃん。
 今日でいろんな春がわかったよ?」

「でも格好悪い俺は嫌だ。」

「飾ってる春は本当の春じゃない。
 本当の春の方が好きだよ?」

「そうか?」

「そうだよ。」


表情をコロっと変えた。

まるで、子どもの様に。




< 85 / 271 >

この作品をシェア

pagetop