不器用彼女
屋上へと続く、階段にあたし達はいた。
「あ、ありがとう…」
「ん?なにが?」
「だから、さっきの…教室の」
「あぁ、それか。
いい機会だったじゃん、言えてよかったよ」
そう言って頭を撫でられた。
愛しい。
こんな感情を抱けるのは、後にも先にも拓斗だけ。
こんな時に、キスしたいなんて思うのはずるいだろうか。
いつも、拓斗からしてくれるから。
だから、今日は…
「拓斗」
「ん?」
チュッ
軽く触れるだけの、キス。
初めて自分からしたかもしれない。
固まってる拓斗。
恥ずかしいあたし。
「さ、先にッ教室戻ってるね!!!」
走ってその場から逃げた。
*
「もう、まじでダメだって…」
腕で顔を隠す。
絶対、顔赤くなってる。
昨日に続き、本当に可愛いことしてくれるじゃん…
「こんなんじゃ、俺の心臓もたねぇって…」
_________そんな2人のあまーい、お話でした!
2015,02,18