不器用彼女


「ありがと」


マフラーを外して、コートを脱ぎ、床に座ろうとした。


「コップ持って、こっちおいで」


そう言って拓斗が招いた場所は、ベッドだった。


ベッドに腰かけている拓斗の横に座る。



「冷める前に飲んでしまえよ」


拓斗は優しく微笑み、そう言った。



あたしが半分くらい飲んだところで、

拓斗はもう飲み終わっていた。


そして拓斗は、あたしが飲み終わるまで待ってくれた。



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