不器用彼女
「…増えたら大変じゃない?」


「そんなこと思わないよ。

彼女から貰えないほど辛いことないだろ?」


その言葉を聞いて、自分の中で何かが弾けた。


ずっと我慢していたものが涙として流れた。


「ど、どうしたんだよ。

大丈夫か…?」


優しく抱きしめて、頭を撫でてくれる。


その一つ一つが、愛しくて…



「ごめんね、もう大丈夫。

あ、ちょっと待ってね」


涙を拭いて、カバンから箱を出した。


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