一夜の過ち・・・からの恋



「あたしは何したら?」


「ここのページを打ってくれるかな?」


「わかりました」


部の中はカチカチという
パソコンを打つ音だけが響いてる。


あたしのスピードの倍
ううんそれ以上のスピードで
新川さんは打っている。


「早いですね」


「お前が遅いだけだ」


「あっ・・・すみません」


言わなきゃよかった。


時計をちらりと見ると
約束の6時半はとっくに過ぎてる。


これは少し遅れるだけじゃないね。


あたしがチラチラと時計を見てるのを
気づいてるはずなのに何も言ってこない。


その時あたしの携帯がなった。


仕事が終わって電源を入れたものの
バイブにしている
バイブにしてても
こんなにシーンとしてたら
携帯が鳴ってるというのはすぐわかる。


「ちょっとすみません」


あたしは廊下に出て
あやに電話を掛けた。


「まだ?遅いよ
誘っといて忘れてるの?」


「まだ会社なのごめんね」


「はぁ?管理部って残業?」


「いや!違うけど
あの人に頼まれていつ終わるか・・・」


「ふーんああそう
二人きり?」


「まぁ・・・」


「あっそう!良かったじゃん
あたしは用無しってことね」






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