一夜の過ち・・・からの恋


電車に乗り継ぎ やっと到着し
ロール2本を受け取った。


「お車はどちらですか?」


「電車です」


「電車?電車って無理ですよ~」


「大丈夫です!こう見えてあたし
力持ちですから」


「力持ちでも無理ですよ」


2本持ったらバランスが取れない。


「ほらほら!うちの社用車で送りますから」


そんな事されたら怒られる。


「あたしが発注忘れて失敗したので
大変な思いしないとまた
やってしまいそうだから
肝に入れないと
お世話になりましたありがとうございます」


いざ問屋を出たのものの
あたしの背丈を超えてる二つのロール
きっと明日は筋肉痛だ。


こりゃ行きの倍はかかるな。


みんなからの視線は浴びるわ
重いわで無事に会社へ着いたのは
定時間も過ぎて
時計の針は8時前。


誰も残ってない真っ暗な部内に
ガックリと来て座り込んだ。


誰か一人でも『ご苦労さん』って
迎えてくれてもいいのに。


持って帰った2つのロールはコロコロと転がった。


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