ミチタカ君
私が編入した学校はまあ進学校で、もちろん私立だった。元々成績の方は悪くなかったが、私立に入れられるとは思わなかった。有名な私立高校に、入学させることもあって新しいお父さんは生活に余裕のある
人だった。


「皆さん、編入生を紹介します。須藤可奈さん。千葉の学校から御家族のご都合で引っ越してきました。」

という先生の報告のあと、私の緊張の一瞬となった。

「…こんにちは。須藤、可奈です。えーと、仲良くしてください」私は小さな声で言った。

「道隆君、須藤さんを案内してやってね」

と先生が言うと、

「はい」


と教室の奥から透明な声が聞こえた。

「須藤さん、あちら関道隆君よ。このクラスの会長さん。」


関君がにこっと笑う。私は関君の後ろの席になった。

「はじめまして、須藤さん。移動教室、案内するよ」

「あ、ありがとう関君」

私もつられて小声で笑う。私は緊張すると(普段から?)小声になってしまうのだ。

「あ、いいんだよ。皆、道隆って呼ぶから須藤さんも」


関君が席を立つ。私もつられて立つ。


「行こう、1時間目は情報だよ」
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