僕が彼女にチョコを貰えなかった理由
「あ、彩花がくるんだった・・・」


龍人の突然の来てびっくりして忘れてた・・・


今、どこの辺りだろ?


そう思ってスマホを見ると、LINEが一件。


もうすぐ着くって連絡だと思って、急いで開くと


彩花から


『頑張って!!』


の一言。



・・・・・



もしかして・・・


「彩花、来ない?」


龍人に向かって尋ねると、龍人は無言で頷いた。



・・・・・・・・・・・・・・・マジですか。


「とりあえず、座ったら?」


そう言ったけど、龍人は一点を見つめて動かない。



そして、その視線の先には、隠し損ねた包みが・・・


それに気づいて焦る私。


「あぁ、それ?昨日のバレンタインに友達に貰ったんだ〜。

 友チョコってやつ!!」


そう言うと、龍人はちょっとだけ驚いたように目を丸くして、その後、すごく悲しそうな顔をした。



その顔を見て、胸がギュッと締め付けられた。



何で、そんな顔するの?


気まずい空気が漂う。


「飲み物とってくるから、座って待ってて。」


私は、その空気に耐えられなくなって、その場を離れた。



・・・龍人、今日バイトじゃなかったっけ?



どうしたのかな・・・・・


あったかい紅茶を入れて部屋に戻ると、龍人は座って、ブラウニーの入った包みを手に取って見ていた。


その光景に、心臓が飛び出しそうになる。



「龍人、今日バイトじゃなかったっけ?」


「うーん、休んだ。」


「え?!何で?」


真面目な龍人がそんなとこするなんて珍しい!


ホントに、どうしたのかな?
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