僕が彼女にチョコを貰えなかった理由
私、有川ひなが彼氏の黒崎総一郎と知り合ったのは、大学一年生の秋。
大学の構内で、考え事をしながら歩いていた時のことだった。
角を曲がった瞬間、人とぶつかり、相手が持っていた資料がばらまけた。
「すいません!!」
慌てて謝って、散らばったプリントを拾い集める。
「ホント、ごめんなさい!!」
そう言って、相手を見ると、そこには見知った顔が・・・
「あれ?礼ちゃん先輩??」
『礼ちゃん先輩』は同じサークルの4年生で、引退した後も飲み会とか、サークルに遊びに来た時とかで仲良くなった。
仲良くなったといっても、それは私だけじゃない。礼ちゃん先輩は、明るくて、面白くて誰とでもすぐに仲良くなってしまう。
しかも、背が高くて、イケメンで、みんなのアイドルのような人だった。
でも・・・。
私に『礼ちゃん先輩』と呼ばれて、こちらを顔は何だか怒っていて、いつもの先輩じゃないみたい。
それに、何だか・・・
「別人?」
ポソッと呟いた言葉に、相手はちょっと驚いた顔をして、私の手から集めたプリントをとりながら、言った。
「その『礼ちゃん先輩』とか言う馬鹿にしてんだか、尊敬してんだかわからない呼び方は、結果的に君を大層馬鹿に見さしているが、俺が礼一郎が別人だと瞬時に判断できたことに免じて、君の事は馬鹿と思うのはよしてやろう。
次からは、ちゃんと前を見て歩け。」
そう言い残して去って行った。
残された私は、ただただ立ち尽くすばかりで、彼が礼ちゃん先輩の双子の総一郎だと知ったのはもうちょっと後だった。
大学の構内で、考え事をしながら歩いていた時のことだった。
角を曲がった瞬間、人とぶつかり、相手が持っていた資料がばらまけた。
「すいません!!」
慌てて謝って、散らばったプリントを拾い集める。
「ホント、ごめんなさい!!」
そう言って、相手を見ると、そこには見知った顔が・・・
「あれ?礼ちゃん先輩??」
『礼ちゃん先輩』は同じサークルの4年生で、引退した後も飲み会とか、サークルに遊びに来た時とかで仲良くなった。
仲良くなったといっても、それは私だけじゃない。礼ちゃん先輩は、明るくて、面白くて誰とでもすぐに仲良くなってしまう。
しかも、背が高くて、イケメンで、みんなのアイドルのような人だった。
でも・・・。
私に『礼ちゃん先輩』と呼ばれて、こちらを顔は何だか怒っていて、いつもの先輩じゃないみたい。
それに、何だか・・・
「別人?」
ポソッと呟いた言葉に、相手はちょっと驚いた顔をして、私の手から集めたプリントをとりながら、言った。
「その『礼ちゃん先輩』とか言う馬鹿にしてんだか、尊敬してんだかわからない呼び方は、結果的に君を大層馬鹿に見さしているが、俺が礼一郎が別人だと瞬時に判断できたことに免じて、君の事は馬鹿と思うのはよしてやろう。
次からは、ちゃんと前を見て歩け。」
そう言い残して去って行った。
残された私は、ただただ立ち尽くすばかりで、彼が礼ちゃん先輩の双子の総一郎だと知ったのはもうちょっと後だった。