僕が彼女にチョコを貰えなかった理由
2月15日 (日曜日)


ただいま、午前11時。


今日は、龍人はバイトだけど、私は何も予定がない。


ちょっと朝寝坊をして、洗濯して、軽く部屋の掃除をした後、私はテーブルの上に渡しそびれた包みを置いた。


ここ最近の2月15日の恒例となっている、渡しそびれたチョコを自分で食べる。


思わずため息が出た。


包み紙に手を伸ばそうとした時、


ピコン♪


スマホにLINEが届いた音がした。


誰からかな?


そう思って開くと、彩花からだった。


『今、家??』


『そーだよん♪』


『暇?』


『渡せなかった包みを眺めてる・・・』


『今から行ってもいい??』


『いいよ!どーしたの?』


『会ってから話す』



彩花がいきなり来たいなんて、どうしたんだろう?



昨日のバレンタインで幼なじみ君と何かあったのかな?



そう思いながら、もう少し丁寧に掃除をすることにした。




30分後


ピンポーン♪


部屋の呼び鈴が鳴った。


きっと彩花だ。


そう思い、


「はーい!」


と言いながら扉を開けると、そこに立っていたのは彩花じゃなくて龍人だった。


「え?」


「おはよ・・・」


「あ、おはよ・・・」


「入ってもいい?」


「いいよ・・・」


そう行ったところでブラウニーの箱がテーブルの上に出しっぱなしになっていることを思い出した。


ヤバい!どうしよう・・・


内心あせる私をよそに、龍人は靴を脱いで部屋にあがって来た。


「お邪魔します」


「どーぞ・・・」


そうだ!龍人は、ブラウニーのことを知らない訳だから、聞かれたら適当に誤摩化せばいいんだ!!


そう思って部屋に入った。


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