嘘つきな僕ら
~♪~♪~♪~
西山【私は中原くんがいいです。
中原くんとメールしていくなかで、もっと中原くんを知りたいと思ってます。
でも、中原くんにとっては迷惑なお話でしょうか?】
すぐに返信がきた。
どうして、また君はそう言うんだよ…
そうだよ…
君がそう言えばそう言うほど、俺は守になんて言ったらいいか分からなくなる。
そうだよ…
迷惑なお話、ですよ…
【俺は無理だと思います】
無理なんだよ…
守がいるのに、守との約束があるのに。
俺は守との約束を優先させる。
だって、俺は君を好きじゃないから。
~♪~♪~♪~
西山【そうですよね。
遅くまでメールしてもらってごめんなさい。
もうメールは送りません、ありがとうございました】
……これでいい。
これでいいんだ。
これで守との約束が果たせる。
君からの返信は二度とない、だからメールで守のいいところをアピールなんて無理になっちゃったけど。
でも、守を裏切る可能性がなくなった、完全に。
だから、これでいい……
これでいいんだ。
【こっちこそ遅くまでごめん。
それから俺は嘘つきで最低な奴だからこれで良かったと思ってます】
嘘を守るために嘘をつく、そんなこと俺には出来ないから。
そうなる前に全てリセットさせる、それが今の俺には一番必要なことだ。
彼女からの返信はなかった。
彼女は“もうメールは送りません”そう言った。
だから、彼女からの返信はなかった。