嘘つきな僕ら

惑わす



~♪~♪~♪~

西山【今日の席替えで隣になれて嬉しいです。
   明日から宜しくお願いします】


彼女からメールが届いた。

俺はそのメールを見てはにかむ。



【あれには驚いたんだけどね】


あれとはぶつかってきたと思ったら通り過ぎる瞬間に渡された紙。


もしあの紙を渡してくれなかったら、俺はきっと窓際の席を選んでいて、きっと隣の席なんてならなかった。



~♪~♪~♪~

西山【あれは…突然すみませんでした。
   でも、メールだけでなくて中原くんと話すきっかけが欲しかったんです。
   隣の席でなくとも近くだったら話しやすくなるかと思って…でもすみません】


話すきっかけ…

俺なんかと話したいと思ってくれるだけでありがたいのに、きっとあんな風にするのにすごい勇気を出してくれたんだろうな…



【そうだね、話しやすくなるね。
 でも、どうしてあの時、泣いたの?】



~♪~♪~♪~

西山【カッコ悪くてごめんなさい。
   もうメールも出来ないって思ってたから…
   それにあんなことして余計に迷惑な人だと思われてるんじゃないかと色々考えてしまって。
   でも隣の席になれて、メールもしてもらえるのが分かったらホッとしちゃいました】



【そうなんだ、でもこれからもメールとかしたいと思ってるから】


それは本当。

それは本気。



~♪~♪~♪~

西山【嬉しいです。
   中原くんとメール出来るだけでも嬉しいのに、明日学校に行ったら話が出来る距離に中原くんがいるんですよね…なんか緊張します】


俺も、だよ。


てかこうやってメールしてる間も、君はどんな返信をくれるんだろうとか、こういう返信で君はなんて思うのかとか期待したり、不安になったりしてる。

いい意味での緊張をしてる。




でも。


明日、きっと話せない。


真ん前には守がいる。


守に俺の気持ちを知られる訳にはいかない…





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